離婚公正証書を作成するにあたって、避けて通れないのがコストの問題です。「費用がいくらかかるか分からないから躊躇している」という声も多く聞かれますが、費用の構造は「公証役場へ直接支払う公的手数料」と「専門家へサポートを依頼する場合の報酬」の2つに明確に分かれています。
まず、全国どこの公証役場でも一律で定められている公証人手数料は、政令(公証人手数料令)によって目的価額(取り決める金額の総額)ごとに細かく規定されています。養育費の場合は、支払期間がどれほど長期に及んでも最長10年分(120か月分)の総額を手数料算定の基礎とします。例えば、月額4万円の養育費を子どもが成人するまで支払う取り決めの場合、4万円×120か月=480万円が目的価額となります。
財産分与や慰謝料など一括または分割で支払う金銭がある場合は、養育費とは別個に手数料を計算し、それぞれを合算した金額が基本手数料となります。これに正本・謄本の作成手数料(1枚あたり約250円)や送達費用などを加えたものが公証役場へ納める総額です。一般的な取り決めであれば、公証役場への実費は2万円〜5万円程度に収まるケースが大半を占めます。
夫婦間で養育費の金額や財産分与の配分について合意が形成できている場合は、行政書士に文面作成と公証役場とのやり取りを依頼するのがコストパフォーマンスに優れています。一方で、相手が不倫を認めない、財産を隠している、あるいは条件面で激しく対立している場合は、法律上代理人として相手と交渉できる弁護士への依頼が必須となります。