なぜ絵が平面的に?風景画の描き方とプロが教える劇的上達の基本手順

なぜ絵が平面的に?風景画の描き方とプロが教える劇的上達の基本手順

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多くの描き手が途方に暮れるのが、定型のない自然物の描写です。建造物と異なり直線のないモチーフを説得力ある質感へ昇華させるには、固有の観察眼が求められます。

風景画空と雲の描き方における核心は、空自体が「巨大なドーム状の曲面」であると意識することです。頭上高くを見上げたときの空は濃く深い青色を呈していますが、地平線や水平線に近づくにつれて、大気中の微粒子によって白っぽく、あるいは黄色味や赤みを帯びた淡い色へと階調が推移します。雲を描く際は、綿のような白い輪郭を追うのではなく、「雲の底面にある影色(グレーや紫がかった青)」を正確に配置することが立体感への近道です。雲の上面は太陽光を受けて輝き、底面は大地の反射光や自らの影を宿すため、水平方向に広がる影面を描くことで、空に浮かぶ雄大なボリューム感が立ち上がります。

一方、風景画木や草の描き方でやりがちな失敗は、細い筆で葉や芝生を1本ずつ線で描写してしまうことです。木を描く際は、まずブロッコリーのような「大きな光と影の塊(マッス)」として全体像を捉えます。太陽が右上にあるなら、樹冠の左下側には強い陰影が生じます。この明暗の大きな塊を幅の広い筆やペインティングナイフで塗ったあとに、初めて木漏れ日や枝の先端、外周部に飛び出た葉のシルエットを部分的に描き足します。「8割の面と、2割の精密なディテール」という対比構造を保つことで、人間の脳は全体が精緻に描かれていると錯覚し、驚くほど写実的な質感を感知するのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。