ネット通販で「洗濯機を自由に動かして裏までピカピカに掃除できる」と宣伝されているキャスター付き伸縮置き台ですが、住宅設備・家電業界ではその危険性と隠れたリスクに警鐘が鳴らされ続けています。
最大の問題は、洗濯機キャスター台の激しい揺れと移動事故です。国内大手家電メーカー(パナソニック、日立、東芝など)の取扱説明書には、「キャスター付き台や不安定な台の上には絶対に設置しないでください」という警告が明記されています。高速脱水時、キャスターのわずかなアソビが洗濯機本体の振動と共鳴し、ストッパーをかけていても台ごと勝手に走行してしまう「自走現象」が発生します。最悪の場合、排水ホースが引っ張られて抜け落ち、床上一面が水浸しになる階下漏水事故を招きます。
また、初期コストを抑えようとして100均ダイソーなどのクッションマットやすべり止めシートを重ねて代用する試みも、重大なトラブルを引き起こします。100円ショップのEVA樹脂やウレタン素材は、常時数十キロの重圧がかかる用途を想定していません。設置から数ヶ月でゴムが押し潰されて傾きが生じ、洗濯機のエラー停止(アンバランス検知)が頻発するようになります。さらに、劣化したゴム成分がフローリングや防水パンに化学反応で癒着し、黒いシミとなって退去時に高額な原状回復費用を請求されるケースも報告されています。
一方、ニトリやコーナンといった大手ホームセンターで流通している製品は、自社開発の防振ゴムや耐震マットなど信頼性の高い部材も多く取り扱われています。ホームセンターで購入する際は、「パイプ組み立て式の脚付きタイプ」ではなく、四隅に敷く単機能の厚手防振ゴムブロックを選ぶことが、長期的な安全性を確保するための鉄則です。