映画の終盤、大人になった瀧と三葉が互いを見つけ、すれ違いざまに「君の名は。」と問いかける運命の場所――それが東京都新宿区須賀町に位置する四谷 須賀神社(よつやすがじんじゃ)の男坂(石段)です。キービジュアルのポスターにも描かれた朱色の手すりが印象的なこの階段は、公開から10年が経過した2026年現在も、国内外を問わず多くの旅行者が訪れる屈指の巡礼スポットとして親しまれています。
公開当初に見られた階段付近の混雑や撮影マナーを巡る懸念は、地域の自治会や警察、ファンの相互配慮によって大きく改善されました。現在の現地には多言語対応の案内板が整備され、撮影の際は私有地へ立ち入らないことや、近隣住民の通行を最優先することが自然と周知されています。特に日中から夕景にかけての時間帯は、作品世界さながらの柔らかな光が階段を包み込み、訪れる人々に静かな感動を与えています。
四谷・須賀神社へのアクセスは極めて良好です。JR中央・総武線および東京メトロの四ツ谷駅から徒歩約10分、もしくは東京メトロ丸ノ内線の四谷三丁目駅から徒歩約7分。閑静な住宅街の細い坂道を抜けると、突如として視界が開け、あの見慣れた階段が目の前に現れます。
階段を登りきった先に鎮座する須賀神社の社務所では、現在も多くの参拝者が御朱印やお守りを授与されています。映画公開以降、作品のキーアイテムである「組紐」を想起させる色鮮やかなお守りや、良縁を祈願する縁結びの絵馬が人気を博しており、境内には多国籍な言語で綴られた願い事がぎっしりと結びつけられています。アニメの舞台という枠組みを超え、人と人との「縁を結ぶ」本来の祈りの場として、2026年の今も息づいています。