Q1:なぜ「来る」は五段活用や上一段活用のように規則化されなかったのですか?
A1:日常会話における使用頻度が極めて高かったためです。言語は頻繁に使われる言葉ほど「音の塊」としてそのまま記憶・定着しやすく、平安時代以降に進んだ「規則的な活用型への平準化(類推作用)」の影響を受けずに原初の不規則な形を保ち続けました。英語のbe動詞が不規則なまま残っているのと全く同じ理由です。
Q2:古文のカ行変格活用で命令形が2つ(こ・こよ)あるのはなぜですか?
A2:地域的な方言差や時代差が文献に残っているためです。「こ」が中央(畿内)を中心とした標準的な語形であったのに対し、「こよ」は東国方言(古代の関東地方などの言葉)や古い時代の上代特殊仮名遣いの名残とされています。平安中期の文学作品などでは感情を込めた表現や韻律を整えるために「こよ」も頻繁に用いられました。
Q3:テストで「来る」の活用形を絶対に見間違えないコツはありますか?
A3:漢字のまま考えず、必ず「ひらがな(発音)」に直して後ろの言葉とのつながりを確認することです。「来ない(こ-ない=未然形)」「来ます(き-ます=連用形)」「来る(くる=終止形・連体形)」「来れば(くれ-ば=仮定形)」「来い(こい=命令形)」と、声に出して母音(o・i・u・e)の変化を確認する習慣をつければ、誤答を劇的に減らすことができます。