ネット上の掲示板やSNSでは「泣きぼくろがあると必ず恋愛で破滅する」「絶対浮気される」といった極端な言説が散見されます。しかし、長年取材を続けてきた結論から言えば、これは完全な事実誤認です。
最大の見落としは、前述した「生きぼくろ」と「死にぼくろ」のコンディション判定を完全に無視した議論が横行している点にあります。漆黒のツヤを持つ生きぼくろであれば、それは人を惹きつけて離さない天与の才能であり、芸能や接客、クリエイティブな分野で大成するための強力な武器になります。災厄をもたらすのは、色素が抜け落ちて灰色がかった死にぼくろを放置し、そのネガティブな影響に無自覚な状態でいるケースに限定されます。
さらに深刻な盲点として、健康面のリスク管理が挙げられます。目の周囲は皮膚が非常に薄く、紫外線や摩擦のダメージをダイレクトに受ける部位です。近年、単なる死にぼくろだと思い込んでいたものが、短期間で急激に肥大化したり、左右非対称に輪郭が崩れたりして皮膚科を受診した結果、基底細胞がんや悪性黒色腫(メラノーマ)の前駆症状と診断されるケースが後を絶ちません。「運勢が下がるから」という占い上の理由だけでなく、直径6mmを超えるものや出血を伴う病変に関しては、人相学の枠組みを超えて直ちに専門医のダーモスコピー検査を受ける必要があります。