スケールアップした劇場版では、横浜ランドマークタワー爆発事故という未曾有の危機を舞台に、新たな対立軸と戦力が加わった。最大のトピックは、厚生労働省主導で新設されたエリート集団「YOKOHAMA MER」の出現だ。そのチーフ・鴨居友(杏)は、「危険を冒さず安全圏から完璧に治療する」という合理主義を掲げ、現場突入を厭わない喜多見率いるTOKYO MERと真っ向から衝突した。
TOKYO MER側にも、研修医・潮見知広(ジェシー)が加入。緊迫する現場で足がすくみながらも、先輩たちの背中を追いかけて恐怖を乗り越えようともがく若き医師の姿が鮮烈に描かれた。さらに、現場の安全確保を一手に担う東京消防庁ハイパーレスキュー隊の千住隊長(要潤)との共闘関係は、ドラマ版以上に熱い男たちの絆として描かれている。
現場のリアルを追求した撮影の裏話もすさまじい。鈴木亮平をはじめとするキャスト陣は、過酷な医療所作指導を何十時間も受講し、手元アップのシーンでもスタントなしで縫合や切開をこなしたという。劇中に登場する巨大救命車両「ERカー」は、東宝とTBSが数千万円を投じて実用車両をベースに特注製作した本物。重さ数十キロの装備を背負って煙と炎が充満するスタジオを駆け抜けた俳優陣の肉体的限界が、そのまま画面の切迫感へと昇華されている。