ネット上やSNSでは「口内炎に塩を直接塗り込むとすぐ治る」「濃い塩水で消毒すべき」といった過激な対処法が散見されます。しかし、口腔外科や耳鼻咽喉科の専門医は、こうした自己流の処置に強い警鐘を鳴らしています。高濃度の塩分が患部に触れた瞬間に生じる激痛は、細菌が死滅しているサインではなく、傷ついた粘膜組織が化学的なダメージを受けて悲鳴を上げている証拠です。
口内炎の表面は、皮膚でいう「すり傷」のようにデリケートな粘膜が剥がれ落ち、神経や毛細血管がむき出しになっています。そこに高濃度の塩水が触れると、浸透圧の急激な変化によって細胞内の水分が一気に外へ吸い出され、組織の脱水と破壊が進行します。結果として患部の炎症が広がり、回復どころか潰瘍が深くなって治癒期間が長期化してしまうのです。