キメラアントの女王が全エネルギーを注ぎ込み、次世代の王として宿したのがメルエムです。しかしその誕生は凄惨を極めました。予定日を待たず、自らの意志で女王の腹を内側から引き裂いて強引に出生。自らを産み落とした母の命を顧みることなく、直属護衛軍であるネフェルピトー、シャウアプフ、モントゥトゥユピーの3頭を引き連れて巣を立ち去りました。
誕生直後の王は、弱者を虫けらのように踏みにじる冷酷非情な怪物そのものでした。近隣の「東ゴルトー共和国」へ侵入して独裁政権を瞬く間に掌握し、宮殿を占拠。一般市民を選別し、軍隊や食料として利用する「選別」の準備を冷徹に進めていきました。
女王が息絶える間際に遺した「メルエム」という名前には、「すべてを照らす光」という意味が込められていました。当初は自らの名前すら知らず、ただ「王」と名乗っていた彼が、後に自らの名を知り、その意味と向き合っていく過程こそがキメラアント編の根幹を成すドラマとなっています。