なぜ今年、これほどまでに爆発的な増殖を見せているのか。海洋学者たちが指し示すのは、2025年末から続く極端な海水温の上昇と、沿岸部の富栄養化だ。クラゲの幼生(ポリプ)が生息しやすい環境が整ったことで、春先にかけて一気に成体へと成長。黒潮の蛇行が複雑化した影響も相まって、特定の湾内や沿岸部に高密度で漂着する現象が目立っている。
「30年漁をやっているが、海面がこれほど丸い物体で埋め尽くされたのは見たことがない」。高知県の沿岸で定置網を営むベテラン漁師はそう語り、溜息をつく。水中に沈めた網を引き上げようにも、あまりの重量に船のウインチが悲鳴を上げるほどだという。