来園者の多くが驚くのが「なぜこれほど精緻に管理されたバラ園が年中無料なのか」という点です。その背景には、前橋市の歴史的アイデンティティと官民連携(PPP)の推進があります。
前橋市は詩人・萩原朔太郎の出身地であり、戦後復興の象徴として「水と緑と詩のまち」「ばらのまち」を掲げて都市景観の形成に注力してきました。ばら園は市民の共有財産として位置付けられており、誰もが気軽に植物へ触れ合える環境が最優先されています。
さらに園名に冠されている「門倉テクノ」は、前橋市に本社を置く老舗の設備・建設エンジニアリング企業「株式会社門倉テクノ」に由来します。前橋市が公共施設の持続可能な維持管理と財源確保を目的にネーミングライツ(施設命名権)パートナーを公募した際、同社が地域貢献および企業ブランド向上を掲げて取得しました。行政の財政負担を民間の地域協賛によって補い、市民や観光客に無料開放を維持し続けるモデルは、地方都市における公園経営の模範例として高く評価されています。