作中で登場人物たちが真顔で口にする解説は、回を追うごとにデタラメなスケールへと肥大化していきました。銀時たちの口から語られた設定を時系列で整理すると、その設定の過剰さはもはやSF叙事詩のパロディとしても極致に達しています。
まず語られたのは、「狗奴国(くなこく)を滅ぼしたとも言われる」という古代日本の歴史ミステリーへの接続でした。さらには幕末の動乱期において「江戸城を無血開城に追い込んだ決定打」とされ、外洋から天守閣を一撃で粉砕したという偽史が平然と紡がれます。これにとどまらず、天人(宇宙人)が跋扈する銀魂の世界観を反映し、かつて宇宙規模で勃発したとされる「バルサム戦役において数々の星を焼き払った星核破壊兵器」という、銀河系レベルの破壊神としてのプロフィールまで付与されたのです。
その仕組みや性能に関しても、「走攻守そろった万能兵器」「左右の球体から供給されるエネルギーを中央のシリンダーで臨界点まで圧縮して射出する」など、聞けば聞くほどそれらしく聞こえるナンセンスな理屈が並べ立てられました。見た目の極めて下品な造形と、語られる軍事ロマンの壮大さ。この落差(ギャップ)が生み出す認知的不協和こそが、読者と視聴者を底知れぬ笑いの渦へと引きずり込んだ最大の要因でした。