インターネット上の大手宿泊予約サイトや口コミプラットフォームに残る過去のレビューを紐解くと、京都第一ホテルがいかに宿泊客の心をつかんでいたかが如実に伝わってきます。設備の古さを指摘する声は一部にあったものの、それを補って余りあるスタッフの親身な接客と食事に対する満足度が、高いリピート率を支えていました。
とりわけ宿泊者の記憶に刻まれているのが、館内レストランで提供されていた朝食バイキングの存在です。「京都の老舗漬物や出汁のきいたおばんざいが毎朝並び、京都出張の唯一の楽しみだった」「朝食スタッフの『いってらっしゃいませ』という温かい掛け声に救われた」といった手記やレビューが数多く寄せられていました。
現在、京都駅八条口周辺には最新設備を誇る洗練されたホテルが林立していますが、マニュアル化された無人チェックイン機や洗練されすぎたスマートな空間に身を置く現代の旅行者からは、「あの昭和の温もりと、手作りの朝ごはんが恋しい」というノスタルジー混じりの声が聞かれます。京都第一ホテルが提供していた価値は、過度なデジタル化が進む現代において、かえって失われつつある「人間味あふれるホスピタリティ」の象徴だったと言えます。