齋藤飛鳥のランジェリー表現を語るうえで欠かせないのが、乃木坂46卒業記念として刊行された2nd写真集『ミュージアム』(講談社)です。1st写真集『潮騒』で見せたあどけない少女の輝きから数年、ニューヨークの歴史あるアパートメントやホテルで撮影された下着カットは、多くの読者に鮮烈な衝撃を与えました。
商業広告としてのピーチ・ジョンのビジュアルと、写真集で見せたランジェリーカットには明確な表現コンセプトの差別化が存在します。
- 広告ビジュアル(PEACH JOHN):プロダクトの機能美と日常のモチベーション向上を目的とし、明るく開放的なライティングの中で「健康的な女性の自立と美」を描写。
- 写真集カット(ミュージアム):光と影の陰影を深く活かしたシネマティックな構図。ベッドサイドや窓辺で見せた素の表情、肌の質感、飾り気のない佇まいで「一人の女性としての内面と成熟」を表現。
当時の制作関係者の証言によると、撮影現場での齋藤飛鳥はポージングをあらかじめ作り込まず、空間の空気感や光の差し込み方に自然と身体を委ねていたといいます。この作為のなさが、いやらしさを完全に排除した崇高なアートピースとしてのランジェリーカットを完成させました。