公務員賠償のもうひとつの高いハードルは、「示談交渉の異様な遅さ」にある。
一般の損害保険業界が扱う事故であれば、事故発生から数週間で示談交渉が進み、治療費の先払い(一括対応)がスムーズに行われることが多い。しかし、都道府県を相手取る国家賠償事案では、自治体側の審査会や議会承認手続きが絡むため、賠償金の支払いが半年から1年以上凍結されるケースが珍しくない。
日本損害保険協会などの業界関係者も警鐘を鳴らす通り、被害者側が無保険や単独で立ち向かうと、治療費の立替負担だけで経済的に困窮し、不利な条件で和解を呑まされる危険がある。自身が加入している自動車保険や火災保険に付帯する「弁護士費用特約」を活用し、対自治体交渉のプロである弁護士を代理人に立てることが、交渉スピードと適正な賠償額を担保する決定打となる。