1980年代半ば、チェッカーズの爆発的なブームは社会現象そのものだった。「涙のリクエスト」や「ジュリアに傷心」が街中に響き渡り、チェック柄のファッションや特徴的な前髪を真似る若者が全国に溢れた。狂乱とも呼べる人気の中で、私生活の自由を奪われていた彼が精神的な均衡を保てたのは、他でもない彼女の存在があったからだ。
華やかな狂騒からアパートへ戻れば、そこにはデビュー前と何一つ変わらない穏やかな日常があった。スターとしてではなく、一人の青年として接してくれる唯一の居場所。バンド解散という大きな転換期を迎え、ソロアーティストとして再起を図った際、彼女への感謝と未来への誓いを込めて書き下ろされた楽曲こそが、歴史的名曲「TRUE LOVE」である。
アコースティックギター一本で紡ぎ出された極めてパーソナルな旋律は、やがて400万枚を超えるモンスターヒットを記録し、J-POPの金字塔となった。この曲の根底に流れる切実なまでの純情は、妻という不変のミューズが存在したからこそ生まれた奇跡の結晶と言える。