坊のキャラクター性を唯一無二のものへと高めた大きな要素が、声優キャストの圧倒的な演技力だ。当時はまだ子役だった神木隆之介が声の出演を果たし、無邪気さと我儘さ、そしてどこか哀愁を帯びた幼少期の声をリアルに表現してみせた。
湯婆婆役を演じた夏木マリの怪演と、幼い神木隆之介の生々しくも愛らしい演技の対比は、画面越しにも異常なまでの熱量となって伝わってくる。スタジオジブリの精密な作画と、当時弱冠8歳前後だった神木のピュアなボイスが見事なシナジーを生み出し、巨大な身体を持ちながらも精神的には幼児そのものという複雑なキャラクターに命が吹き込まれたのである。