表向きには「本業である占術の研究に専念するため」と発表された2008年の電撃降板劇。しかし、その内幕はテレビ各局がコンプライアンスの観点からこれ以上の起用を断念した、事実上の「追放処分」でした。引き金を引いたのは、講談社の情報誌『週刊現代』が2006年夏から展開した、作家・ジャーナリストの溝口敦氏による徹底告発キャンペーンです。
当時、細木氏はTBS系『ズバリ言うわよ!』やフジテレビ系『幸せって何だっけ〜カズカズの宝話〜』などで驚異的な数字を連発していました。民放幹部やプロデューサーは彼女のご機嫌を伺い、番組内での専横や共演者への恫喝まがいの言動も黙認されていたと報じられています。その絶対的な権力構造に風穴を開けたのが、かつて闇社会や広域暴力団の取材を重ねてきた溝口氏のペンでした。
連載記事「細木数子『地獄への道』」では、細木氏と指定暴力団・山口組最高幹部との数十年におよぶ密接交際が実名とともに生々しく暴かれました。さらに、公序良俗に反する恫喝的な鑑定手法、数千万円単位の墓石販売ビジネスの構造が白日の下に晒されたのです。当初は静観を決め込んでいたテレビ局各社も、大手スポンサー企業からの厳しい問い合わせとBPO(放送倫理・番組向上機構)への視聴者クレームの急増に耐えきれなくなりました。2007年秋以降、水面下で番組打ち切りに向けたスケジュールが冷徹に進められたのが真相です。