ハングル表記「우리」は、文法上は「私(나:ナ)」の複数形であり、韓国語の一人称複数表現(私たち、我々)に分類されます。しかし、実際の日常会話で機能する韓国語ウリの意味は、単に人数が2人以上いる状態を指すにとどまりません。話者と聞き手、あるいは話者と所属集団を心理的に一つの枠組みに囲い込む「所属・連帯の標識」として作動します。
文法面では、助詞の接続によってニュアンスが明確に分かれます。ウリヌンとウリガの文法における使い分けは、初級学習者が最初につまずきやすいポイントです。主題や対比を表す「〜は」に相当する「ウリヌン(우리는)」は、「私たちは普段こうしている」「他はともかく自分たちは」という全体的な文脈や状況説明で多用されます。一方、主格を強調する「〜が」に相当する「ウリガ(우리가)」は、「まさに私たちがそれを担当する」「誰がやるのか?私たちがやる」というように、動作の主体を特定しフォーカスを当てる局面で選択されます。
ここで重要なのが、韓国語ウリとネの違いです。「ネ(내)」は「私の」という純粋な個別所有を表す一人称単数です。たとえば、個人的な持ち物である「私のカバン(내 가방:ネ カバン)」や「私のスマートフォン(내 핸드폰:ネ ヘンドゥポン)」には「ネ」を用います。もしこれを「ウリカバン」と言ってしまうと、「家族全員で共用しているカバン」という奇妙な解釈が生じてしまいます。韓国語において「ネ」は物理的・法的な個人所有の領域を画定し、「ウリ」は共有物や人間関係の共同ネットワークを包摂するという明確な境界線が存在します。