事件の発端は2016年9月18日から20日にかけて、大口病院4階の終末期病棟に入院していた88歳の男性患者2名が、相次いで急性心不全などで死亡したことでした。遺体を不審に思った当直医の機転により司法解剖が行われ、点滴バッグ内および体内から消毒液に含まれる界面活性剤「ヂアミトール(塩化ベンザルコニウム)」が検出され、神奈川県警が殺人事件として捜査本部を設置しました。
さらに捜査が進むと、同じ病棟で同年7月から9月にかけて入院患者約50名が相次いで亡くなっていたという異常事態が判明します。終末期医療を担う病棟とはいえ、短期間での異様な死亡者数の多さに、院内では看護師の制服切り裂き事件や飲み物への異物混入といったトラブルが多発していたことも明るみに出ました。医療従事者による内部犯行が疑われる中、捜査は難航を極めましたが、2018年7月、当時勤務していた看護師の久保木愛弓が逮捕されるに至りました。