ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「女性のスーツも一番下を外すべきなのか?」という混乱の声が散見されます。しかし、男性のアンボタンマナーを女性スーツにそのまま適用するのは、明確な誤りです。
女性用スーツにおいて女性スーツボタン全留めが鉄則とされる理由は、男女の身体の骨格差と、それに伴う服飾パターンの違いにあります。女性用ジャケットはバストのふくらみからウエストのくびれ、そして骨盤の傾斜に合わせて曲線的に裁断されています。着丈も男性用に比べて短めに設計されており、すべてのボタンを留めた状態で初めて美しいXラインのシルエットが完成するように計算されています。
もし女性が一番下のボタンを外してしまうと、前身頃が左右に不自然に引っ張られ、胸元が浮き上がったり、裾が跳ね上がったりして着崩れの原因になります。面接官や取引先に「ボタンのかけ忘れ」や「だらしなさ」という悪印象を与えてしまいかねません。ボタンが2つあるジャケットであっても3つであっても、女性の場合は「すべて留める」のが正しい着こなしです。
ただし、1つボタンのジャケットに関しては、座った際にお腹周りが窮屈に感じる場合でも、留めたままの姿勢を保つのが日本のビジネス環境では無難です。どうしても苦しい場合は、着席時に背筋をしっかり伸ばし、ジャケットの背中側を少し後ろへ引くように腰掛けることで、フロントの圧迫感を大幅に緩和できます。