基本構造を抑えた後は、キャラクターの属性や内面を語るポージングの演出へとコマを進めます。性別やシチュエーションに応じたシルエットの差別化は、商業イラストにおいても最も重視されるポイントです。
洗練された椅子に座る男イラストかっこいい構図を創出する場合、キーワードとなるのは「空間の占有面積」と「非対称性(コントラポスト)」です。股関節を大きく開き、肘をアームレストや膝の上に無造作に置くポーズは、心理学的に自信や権威性を連想させます。背もたれに深く体重を預け、あえてカメラのアングルをアオリ(下からの見上げ)に設定して椅子の脚のパースを強調すると、威圧感や重厚な色気を演出できます。
対照的に椅子に座る女イラストかわいいポーズでは、手足をコンパクトにまとめ、内向きのベクトルを形成するのが効果的です。両膝を揃えて内股気味にする、あるいは座面の上で小さく体操座りや片膝立ちをさせる構図は、可憐さや親密感を際立たせます。重心を片方の坐骨に偏らせ、上半身を少し傾けて首をかしげるライン(S字ライン)を意識すると、硬直感が抜けて柔らかな躍動感が宿ります。
さらに表現の幅を広げるのが足を組んで椅子に座るイラストの技術です。足を組む動作は、骨盤が左右非対称に傾き、上になる脚の大腿部が下になる脚を上から押しつぶすという「二重の肉の干渉」が発生します。組んだ側の膝が高くなり、反対側の肩が下がるという骨格の連動を無視して描くと、足だけが後から貼り付けられたような合成感が出てしまいます。また、背後からのアングルである椅子に座る後ろ姿イラストの描き方においては、背もたれの隙間から見える広背筋の陰影や、座面からこぼれるお尻の丸み、そして肩甲骨の上下運動が立体感を決定づける生命線となります。