映画賞をめぐる報道で頻繁に見落とされがちなのが、賞のシステムそのものの定義です。特に日本アカデミー賞において、「優秀主演女優賞」と「最優秀主演女優賞」の区別を正確に把握している一般層は決して多くありません。
仕組みを整理すると、まず日本アカデミー賞協会会員(全国の映画関係者、配給会社、興行会社、映画スタッフなど数千人規模)による第1次投票が行われます。この投票によって選出された上位5名(年度によっては同票を含む6名など)に授与されるのが「優秀主演女優賞」です。つまり、優秀賞に選ばれた時点で、その年の日本映画界におけるトップ5として公式に表彰されていることになります。
その後、授賞式直前に行われる第2次投票を経て、優秀賞受賞者5名の中からたった1名だけ選ばれる頂点が「最優秀主演女優賞」です。授賞式の壇上に並ぶ5名は全員がすでにトロフィーを手にした「勝者」であり、その中から栄えある代表者が発表されるというセレモニーの構造を持っています。この二重構造を理解しておくことで、ノミネート発表から授賞式当日までのドラマをより多角的に楽しむことができます。