インターネット上には「猫も月1回はお風呂に入れるべき」「こまめに洗わないと不潔」といった誤った言説が散見されます。しかし、動物医療現場の共通見解として、完全室内飼いの短毛種であれば基本的に定期的なお風呂は不要です。
猫は起きている時間の30〜40%をセルフグルーミング(毛づくろい)に費やしており、舌の突起構造によって自身の被毛を極めて清潔に維持しています。唾液に含まれるリゾチームなどの酵素には殺菌作用があり、日光浴によってビタミンDの生合成や消臭も自ら行っています。不要な頻度で洗う行為は、皮脂膜を破壊してフケやアトピー様症状を誘発するだけでなく、自らの匂いを奪われることによる激しい精神的ストレスを生み出します。
例外としてシャンプーが必要になるケースは、「屋外に出て泥だらけになった」「排泄物が毛にこびりついた」「皮脂分泌の多い長毛種で毛玉が頻発する」「獣医師から薬浴を指示された」といった明確な事由がある場合のみです。それ以外は、ブラッシングと蒸しタオルによる拭き取りケアだけで衛生環境は十分に維持できます。