てるてる坊主を作る際、最初に可愛らしい顔を描いてしまう人が多く見られますが、民俗学的な観点から見るとこれは順序が逆です。てるてる坊主の本来の作法は「願掛けの段階では顔を描かず、願いが叶った後に目鼻を描き入れる」という「目入れ」の儀礼に基づいています。
これはだるまの願掛けと全く同じ構造です。最初から顔を描いてしまうと、人形に魂が中途半端に宿ってしまい、天気をコントロールする力が失われる、あるいは雨や雪を過剰に降らせてしまうと考えられてきました。
特に逆さまに吊るす場合、最初から泣き顔や怒り顔を描いて吊るすと「天の神の怒りを買う」という俗信もあります。のっぺらぼうの状態で逆さに吊るし、翌日実際に雪が降ってくれたのを確認してから、感謝を込めて笑顔を描き足すのが正しい作法です。