伊勢神峠周辺には、時代ごとに作られた複数のルートが存在します。通行者が混乱しやすい「新旧の違い」を整理しておきましょう。
現在、主要幹線道路としてトラックや一般車が激しく行き交っているのは、1960年(昭和35年)に開通した「現・伊勢神トンネル」(国道153号線)です。片側1車線の対向2車線が確保されており、大型車の通行を可能にしました。ただし、この昭和のトンネルも開通から60年以上が経過して老朽化と幅員の狭さが課題となっており、より高規格な新ルートの検討や補修が長年続けられています。
一方、いわゆる「旧伊勢神トンネル」は、現トンネルの北側に位置する国道153号線の旧道(旧旧道)に残された伊世賀美隧道を指します。幅員はわずか約3メートル強しかなく、普通車1台が通るのがやっとの狭隘路です。新旧を比較すると、明治の伊世賀美隧道が果たした役割の大きさと、道路技術の進化の変遷が克明に浮かび上がります。