奈良公園を訪れる旅行者の最大の関心事の一つが「鹿とのふれあい」です。園内各地に設置されている木製の露店で購入できる鹿せんべい(1束200円・税込)ですが、これには明確な販売サイクルがあります。
鹿せんべい販売時間は、おおむね午前9時前後から夕方16時30分〜17時頃までとなっています。専門の販売業者や売店が天候や人出を見ながら開けており、決まった固定のシャッターがあるわけではありません。雨天時や閑散期の平日、日没が早い冬季は16時前後に早々と撤収してしまうケースが珍しくありません。
一方、天然記念物である「奈良の鹿」たちの生活リズムも人間の営業時間とは異なります。鹿の活動時間と夜の様子を観察すると、彼らは完全な夜行性ではなく、日の出とともに活発に草を食べ始め、日中は木陰や芝生で反芻(はんすう)を行い、日没を迎えると森の奥(春日大社の原始林や若草山山麓など)へ戻って身を寄せて休みます。
観光客が鹿せんべいを与える際、夕方近くになると鹿たちはお腹がいっぱいになってせんべいに見向きもしなくなる現象がよく見られます。積極的にお辞儀をして寄ってくる愛らしい姿を体験したい場合は、鹿がお腹を空かせている午前中の早い時間帯を狙うのが鉄則です。