大砂嵐の力士人生を唐突に終わらせた決定打は、2018年1月に長野県下高井郡山ノ内町(志賀高原付近)で発生した乗用車の追突事故でした。当時、大砂嵐は怪我のために初場所を休場中であり、本来であれば治療と療養に専念すべき期間にスノーボード旅行に訪れていたこと自体が厳しい批判の対象となりました。
しかし、問題の本質は単なる交通事故にとどまりませんでした。現場に駆けつけた警察に対して、大砂嵐側は「妊娠中だった妻が運転していた」と証言し、大砂嵐自身は助手席に乗っていたと主張。ところが、警察が事故現場周辺の防犯カメラ映像を解析した結果、運転席から降りてきたのは大砂嵐本人であったことが明白に記録されていました。さらに決定的だったのは、大砂嵐が所持していた国際運転免許証の有効期限が切れており、法的に無免許運転の状態であったという事実です。
日本相撲協会の内規では、現役力士の自動車運転そのものが固く禁じられています。規則違反の自動車運転、無免許過失運転、そして妊娠中の妻を巻き込んだ身代わりの虚偽申告という三重の背信行為に対し、日本相撲協会理事会は2018年3月9日、極めて重い引退勧告処分を全会一致で決定。大砂嵐側もこれを受け入れ、事実上の懲戒解雇という形で相撲人生の幕が下ろされました。長野区検察庁からは道路交通法違反(無免許運転)の罪で略式起訴され、罰金50万円の略式命令が下されています。