ネット上で「サービス終了」と騒がれている背景には、野村證券が長年抱えていたオンラインプラットフォームの複雑な歴史があります。野村ネット&コールの源流は、2006年に営業を開始したネット専業の「ジョインベスト証券」に遡ります。その後、2009年に野村證券本体へ合流して「野村ジョイ」となり、2011年に電話注文窓口とネット取引を組み合わせた「野村ネット&コール」へと改称されました。
当時、野村證券には店舗顧客向けのリモートチャネルである「野村ホームトレード」と、非対面専用の「野村ネット&コール」という2つの独立したオンラインシステムが並行して存在していました。顧客にとっては「どちらで口座を開設すべきか分かりにくい」、同社にとっては「2重のシステム開発・保守コストがかさむ」という非効率な状態が長年続いていたのです。
この二重構造に終止符を打つべく、同社は大規模なシステム統合を断行しました。2020年1月にかけて段階的に旧野村ホームトレードと野村ネット&コールの機能を集約し、現在の「野村證券オンラインサービス」へと一本化されたのが真相です。つまり、サービスが経営不振等で打ち切られたのではなく、顧客利便性の向上とデジタル戦略の最適化を目的とした前向きなプラットフォーム統合であったと評価できます。