「埋れ木」を生み出すのは、文化6年(1809年)創業の老舗「いと重菓舗」です。2世紀以上にわたり彦根の地で暖簾を守り続けてきた同店には、一切の妥協を許さない素材選びと製法が受け継がれています。
外側を覆う緑の粉は、最高級の宇治抹茶と徳島県産の和三盆糖を独自の比率でブレンドしたもの。抹茶特有の上質なほろ苦さを残しつつ、和三盆の繊細な粒子がすっと舌の上で溶けるよう計算されています。中の求肥には良質なもち米粉を使用し、羽二重餅を思わせる絹のようなやわらかさを実現。さらに、中心の餡には北海道産の極上白インゲン豆(手亡豆)を炊き上げた白餡が使われており、豆本来の風味を活かしたあっさりとした甘さに仕上がっています。
機械任せにせず、気温や湿度に応じて職人が微調整を重ねることで、いつでも変わらない極上の口どけが保たれています。甘すぎず、抹茶の渋みが立ちすぎないこの絶妙な調和は、まさに日本の伝統和菓子工芸の極致といえます。