席へ案内されたら、迷わず看板メニューのげんこつハンバーグを注文する。厨房の炭火で表面を焼き固められた250グラムの球状肉が、白煙を上げながらテーブルに運ばれてくる瞬間は、まさにエンターテインメントの極致だ。
スタッフが巨大なナイフで肉を二つに割り、熱々の鉄板へ力強く押し付ける。ここで通が実践する焼き加減の裏技がある。標準的な「中身が赤いレア」も素晴らしいが、鉄板が最も熱い最初の瞬間にソースをかけず、まずは卓上の岩塩とブラックペッパーだけで肉本来の甘みを噛み締めるのだ。粗挽き肉の暴力的な旨味が舌の上で炸裂する。
名物のオニオンソースは、あえて「自分でかけます」と店員に伝え、鉄板の上ではなく小皿や肉の片側だけにかける。こうすることで、炭火の香ばしいクリスピー感を保ったまま、酸味と甘みが際立つ秘伝ソースのコントラストを最後まで味わい尽くすことができる。