海溝型地震(南海トラフ巨大地震など)が約100〜150年周期で規則正しく繰り返されるのに対し、内陸の活断層は活動周期が約1,000年〜数万年と極めて長い特徴を持ちます。この周期の長さの違いは、地殻にかかるひずみの蓄積速度に起因します。
プレート境界から遠い内陸地殻では、プレートの押し合いによる応力が非常にゆっくりと蓄積されます。岩盤の強度が限界に達するまでに膨大な年月を要するため、人間の一生という時間スケールでは「何世代にもわたって一度も地震が起きていない安全な土地」に見えてしまうのです。これが、私たちが無意識に陥る最大の心理的トラップです。
また、直下型地震の前兆現象については様々な俗説が存在しますが、気象庁や地震調査委員会などの公的見解において、確実な短期直前予知の手法は確立されていません。微小地震の急増(群発地震)や地下水質の変化、地殻変動データの微細なゆがみなどが観測される事例はありますが、これらが数日以内の大地震に直結するかどうかを事前に断定することは困難です。「前兆がないからまだ大丈夫」という過信は捨て去る必要があります。