ピン芸人となった彼を国民的タレントへ押し上げた決定的な契機が、日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』のレギュラー出演です。番組初期の前説から頭角を現した山崎は、ダウンタウン(松本人志・浜田雅功)という圧倒的なカリスマの懐に飛び込みました。
ここで彼が選んだのは、「かつての美貌を完全に切り捨てる」という決断でした。ダウンタウンの容赦ないツッコミに対して、情けない表情で泣き言を漏らす、理不尽に怒る、そしてプロレスラー・蝶野正洋からのビンタを震え上がりながら受ける――。こうした一連のリアクション芸は、端正な顔立ちをしていたからこそ、そのギャップによって爆発的な笑いを生み出したのです。
視聴者参加型企画や年末恒例の「笑ってはいけないシリーズ」において、彼は常に番組の起爆剤であり続けました。当時の番組関係者が語るエピソードとして、「邦正さんはカメラが回る直前まで恐怖で本当に青ざめていた。しかし、いざ本番となると視聴者が最も笑える絶妙の間でビンタを受け止めた」という証言があります。自らのプライドやルックスへの執着を完全に捨て去り、「笑いの生贄」となる覚悟を決めた姿こそが、彼が20年以上にわたりバラエティの最前線で重用され続けた真の理由でした。