ドン小西のキャリアにおける最大の金字塔が、1981年に立ち上げたメンズブランド「FICCE(フィッチェ・ウォーモ)」です。若い頃に文化服装学院で学び、海外のテキスタイル文化を吸収した小西は、日本の伝統的な織りや高度な編み技術を駆使した唯一無二のニットウェアを次々と発表しました。
FICCEを一躍社会現象へと押し上げたのが、タレントのビートたけしの存在です。人気バラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』をはじめ、主要な冠番組でたけしが着用した幾何学模様や派手な配色の立体ニットは「たけしニット」「FICCEセーター」と呼ばれ、1着数十万円という高価格帯でありながら飛ぶように売れました。海外でも高く評価され、世界的ミュージシャンやハリウッドスターがプライベートで愛用するなど、東京発のハイファッションとして確固たる地位を築きました。
最盛期には年商が60億円以上に達し、ドン小西個人の推定年収も数億円規模に上るなど、まさにバブル景気の頂点を象徴するサクセスストーリーを体現していました。