大手町駅直結という抜群の利便性を誇った大手町ビルヂング(大手町ビル)の地下2階に位置していた同店。多くのビジネスパーソンが日課のように立ち寄った拠点でしたが、なぜ営業に幕を下ろすことになったのでしょうか。
最大の要因は、築60年を超えた大手町ビルの大規模リニューアル工事と、それに伴うフロア再編です。三菱地所が進めた「大手町ビルリノベーション計画」では、100年ビルを目指した外観・内装の刷新や、先端スタートアップ拠点の誘致などフロア構成の大規模な見直しが実施されました。これに伴いテナント契約の満了や区画再編が行われ、紀伊國屋書店も営業終了という決断を下すこととなりました。
さらに、ビジネスパーソンの読書スタイルのデジタルシフトや電子書籍の普及、オフィス街における店舗オペレーションの最適化といった業界全体の構造変化も重なりました。単なる一書店の撤退にとどまらず、街の再生と時代の転換点を象徴する出来事だったといえます。