アニメ本編の放送から年月が経った現在でも、「アルは大人になって軍に入隊したのではないか」という言説が一部のコミュニティで見られます。結論から言えば、サンライズ(現バンダイナムコフィルムワークス)の公式設定において、アルが大人になって連邦軍やジオン残党の軍人になったという記録は一切ありません。
この噂が生まれた背景には、戦争を間近で体験した少年がその後どのような進路を選ぶかというファンの二次創作的な想像や、後年の宇宙世紀作品における「戦争トラウマを抱えた少年たちの成長パターン」との混同があります。アルが目撃したものは、英雄的な戦闘ではなく、嘘と誤解が招いた無意味な肉親同然の人間同士の殺戮でした。兵器のカッコよさに憧れていた少年の幼い軍事趣味が完全に粉砕されたあの結末から考えれば、彼が自ら軍人志望の道を歩む可能性は極めて低いというのが、作品のテーマ性を踏まえた一般的な見解です。