ジブリファンの間で今なお熱く語られるのが、井上あずみが歌う『めぐる季節』の存在です。SNSや知恵袋などでは「映画のエンディングで流れていた記憶がある」「挿入歌として聞いた気がする」といった声が散見されます。
しかし実際には、本編で流れたのは久石譲によるインストゥルメンタル版である『海の見える街』のみであり、『めぐる季節』はボーカルアルバムおよびイメージアルバムの収録曲に過ぎません。それにもかかわらず、なぜ多くの視聴者の記憶にこれほど強く残っているのでしょうか。
その最大の理由は、「劇中曲との完全な旋律一致」と「学校教育・合唱コンクールでの普及」にあります。久石譲が手掛けた『海の見える街』のメロディに吉元由美が美しい日本語詞を乗せたこの楽曲は、小中学校の音楽の教科書や合唱曲として日本全国で歌い継がれました。その結果、「劇中の感動的な情景」と「合唱で親しんだ歌詩」がファンの脳内で自然に統合され、“本編で聴いたようなリアルな記憶”として定着していったのです。