医療機関で処方される抗ウイルス薬のタミフルやゾフルーザは、体内のインフルエンザウイルスの増殖を劇的に抑え、発熱期間を短縮させる優れた効果を持つ。だが、ここで多くの人が「薬を飲んで熱が引いたから完治した」と誤認してしまう罠が存在する。
国立感染症研究所や日本医師会の報告によると、解熱後であっても患者の気道からは数日間にわたって感染力を持ったウイルスが体外へ排出(ウイルスペレット)され続けている。症状が消滅したことと、他人に感染させない状態になったことは同義ではない。薬で無理やり熱を下げた状態のままオフィスへ戻る行為は、同僚をリスクに晒す極めて危険な選択肢といえる。