タカマル鮮魚店の代名詞といえば、丼からこぼれ落ちんばかりに盛られた海鮮の山です。初めて暖簾をくぐった客が例外なく目を丸くするのが、刺身の一切れ一切れが一般的な寿司屋の2倍から3倍はある「規格外のぶつ切り」スタイルです。
定番の「赤丼」は、これでもかと言わんばかりに積み上げられたマグロの赤身や中トロが丼を覆い尽くし、「黒丼」では日替わりの煮魚や鮮魚の贅沢な組み合わせが楽しめます。また、桶から溢れんばかりの刺身と豪快なアラ汁が付く「タカマル定食」は、遠方からわざわざ足を運ぶ価値のある名物です。夜の居酒屋ユースでも、名物の「三特桶盛りセット」(蟹と帆立のぶっかけ桶、マグロぶっかけ桶など)をはじめ、原価率を度外視したような豪快な一皿が卓上を埋め尽くします。
なぜ昨今の原材料費や物流コストの高騰下でもこの水準を維持できるのか。その理由は、母体が水産仲卸業者である点に尽きます。毎朝のセリで仕入れた魚を自社ルートで直送し、調理場の手間を減らすために繊細な飾り包丁ではなく「豪快なブツ切り」でスピーディーに提供する。徹底した合理化と高い客席回転率が、この価格破壊を可能にしています。