総本宮(京都)を参拝する際、決して侵してはならない重大なルールが存在します。それが本宮(ほんぐう)・奥宮(おくみや)・結社(ゆいのやしろ=中宮)の「参拝順序」です。ネット上には「縁結びを急ぎたいから結社から参拝した」という体験談も見られますが、神職の教えや古来の作法において、これは重大なマナー違反とされています。
正しい順序は、【本宮】→【奥宮】→【結社】の「三社参り」です。この順番には極めて論理的な宗教的意味があります。
- 本宮(第一の祈り):まずは諸願成就の根幹である高龗神へ挨拶を捧げ、心身の邪気を清める。名物の「水占いみくじ」を御神水に浮かべ、現在の運気と神託を受け取るのもこのタイミングです。
- 奥宮(第二の祈り):本宮から北へ約700メートル歩き、かつての本宮の地であり、神聖な龍穴(りゅうけつ)が眠る奥宮へ。深遠なる静寂の中で余計な雑念を完全に捨て去り、自己の精神をゼロにリセットします。
- 結社(結びの祈り):最後に、本宮と奥宮の間に位置する結社へ戻ります。御祭神である「磐長姫命(いわながひめのみこと)」は、自らの容姿を理由に返された悲しみを乗り越え、「すべての者に良縁を授けよう」と鎮座された愛の神です。緑色の「結び文」に願いをしたため、指定の場所に結びつけることで、純粋な良縁が結ばれます。
奥宮でのリセットを経ずにいきなり結社で欲望をぶつける行為は、泥水が入った器に美酒を注ぐようなものです。順序を間違えた参拝が「思いがけない別れ」を招いたと誤認され、結果として「参拝方法を間違えると危険」という噂を生み出すに至ったのです。