単なる奇抜な目立ちたがりとして片付けられがちな本住宅だが、その背景には緻密に計算された「桶川ガラス張りの家プロジェクト」の野心的な建築思想が存在する。施主と建築家が目指したのは、内と外を分断する従来の壁を消失させ、都市や自然環境と住人がダイレクトにつながる新たな居住実験であった。
プライバシーを密蔽することによって成り立つ従来の住宅像に対し、あえて自らの空間を解き放つ。太陽光の角度、風の流れ、視線の抜けを構造設計の段階からシミュレーションし、極限の透明性を追求した。住まうことの根底にある安心感と解放感の境界線を再定義する試みこそが、このプロジェクトの核心に他ならない。