近年の彼女の代表作を語る上で避けて通れないのが、世界的なヒットを記録した『ダンジョン飯』のマルシル役だ。エルフとしての高いプライドと、直面する理不尽な状況への困惑、そして食に対する複雑な葛藤。これほど多層的な感情を同時に表現することが求められるキャラクターは極めて珍しい。彼女は過剰なデフォルメに逃げることなく、等身大の感情変化を声のトーンとテンポの絶妙なコントロールで表現してみせた。
海外のアニメファンからも「キャラクターがスクリーン上で真に生きている実感が伝わる」と称賛が寄せられた。声のキーを単に上下させるのではなく、キャラクターがその瞬間に吸った「空気の量」まで計算されているかのような芝居。それこそが彼女の真骨頂と言える。