物語のキーパーソンとなる鵜久森叶を演じた芦田愛菜の存在もまた、本作の質を一段上のレベルへと押し上げた決定的な要素だ。
いじめの標的となり、声なき悲鳴を上げ続けていた第一話の長尺シーン。あの数分間に渡る独白で芦田が見せた涙と震える声は、画面越しに観客の心を激しく揺さぶった。子役時代からの類稀なる表現力に磨きがかかり、学業との両立を経た彼女が本格的な連続ドラマ復帰作として選んだのが本作だったという事実も興味深い。
芦田演じる鵜久森の決断と運命が物語の中盤で大きな波紋を呼び、他の生徒たちの心理に連鎖反応を引き起こしていく。演技の「受けの手」としても「攻めの手」としても完璧な立ち振る舞いを見せた彼女は、2026年の今も映画界・文学界の双方から熱い視線を浴び続けている。