以前は社会の陰部に追いやられていた事故物件というテーマを、一躍世間のメインストリームへ引っ張り上げたのが映画『事故物件 恐い間取り』だ。中田秀夫監督がタクトを振り、主演の亀梨和也が事故物件を渡り歩く売れない芸人を演じたこの作品は、松竹配給のホラー映画として異例の大ヒットを記録した。
劇中で描かれた怪しげな部屋の間取りや写真に写り込む不吉な現象は、観客に強い恐怖と好奇心を植え付けた。忌み嫌うべき対象だった「訳ありの部屋」が、エンターテインメントの文脈で語られるようになり、若者層を中心に事故物件への関心が爆発的に広がる契機となった。