市場や鮮魚店では「赤なまこ(アカ)」と「青なまこ(アオ)」が明確に区別されて販売されています。これらは生物学的には同種(マナマコ)ですが、生息環境や食性によって外見と肉質に顕著な差異が生じます。
赤なまこは主に外海の岩礁地帯に生息し、赤褐色を帯びています。波の荒い環境で育つため身が非常に硬く締まっており、強いコリコリ感と濃厚な旨味が特徴です。主に関西地方や九州地方で絶大な人気を誇り、キロ単価は青なまこの約2倍〜3倍(1kgあたり3,500円〜6,000円前後)の高値で取引されます。
一方の青なまこは、内湾の砂泥底に生息し、青緑色や黒っぽい色をしています。肉質は非常に柔らかく、水分が多くてプルプルとした優しい食感を持っています。こちらは関東地方を中心に好まれ、手頃な価格帯(1匹300円〜800円程度)で入手しやすいため、初めて自宅でさばく入門用としても最適です。
なお、赤なまこが硬すぎて噛みきれない場合は、スライスする厚みを1〜2mm程度の極薄切りにするか、隠し包丁(鹿の子の切れ目)を入れることで、心地よい歯ごたえを維持しながら食べやすく仕立てることができます。