2006年にAKB48の2期生としてデビューした当時から、野呂佳代は周囲のメンバーとの体型差に人知れず悩まされていました。当時のアイドル界は「細ければ細いほど正義」という過激な痩身信仰が色濃く残っていた時代です。大島優子や秋元才加ら同期メンバーが並ぶ中、運営スタッフから衣装のサイズをめぐって叱責されたり、無理な減量ダイエットを試みてはリバウンドに苦しんだりした苦渋の過去を、本人が後の特番インタビューなどで率直に告白しています。
転機となったのは、日本初のぽっちゃり女子向けファッション誌『la farfa(ラファーファ)』の創刊(2013年)でした。専属モデルとして抜擢された彼女は、ふくよかな体型を無理に隠すのではなく、明るい色使いや立体感を活かしたコーディネートを次々と披露。「体型に悩む女性たちに勇気を与えた」と読者アンケートでも圧倒的な支持を集め、プラスサイズモデルのアイコンとしてのポジションを築き上げました。
痩せることだけが美しさの基準ではないというメッセージを自らの肉体で体現した経験が、現在の彼女の自然体で堂々とした振る舞いの土台となっています。かつてのコンプレックスを自らの強みへと塗り替えたプロセスの厚みが、現在の佇まいに本物の説得力を与えています。