北海道のラーメンといえば「札幌の味噌」「旭川の醤油」「函館の塩」という三大潮流が語られがちですが、小樽らーめん 初代の存在は、その既成概念を軽やかに覆しました。小樽運河周辺の喧騒から少し離れた住吉町、港町特有の風情を残す石造りの倉庫をリノベーションした店舗は、暖簾をくぐる前から訪れる者の期待感を高めます。
初代の躍進を支える根幹は、寸胴鍋の前で一切の妥協を許さないスープへの徹底的なこだわりにあります。ベースとなるのは、豚骨と鶏ガラを長時間じっくり炊き出した濃厚な動物系白湯と、煮干しや昆布、香味野菜を絶妙な温度管理で抽出した和風出汁のダブルスープです。仕上げに「追い鰹」を施すことで、動物系の分厚いボディ感の中に、フワリと立ち上る芳醇な魚介の香りを封じ込めています。
そしてスープの熱を逃さないよう表面を覆う上質なラードの油膜。氷点下を下回る小樽の極寒期であっても、最後の一滴まで熱々の状態で味わえる工夫は、まさに北国で磨き抜かれた職人技の結晶です。