真冬の厳しい寒さのなかでもスカートの下にタイツを履かず、素足をさらし続ける女子高生たち。大人世代から見れば不可解極まりない行動ですが、当事者たちには明確かつ切実な理由が存在します。取材と意識調査から浮かび上がった主な要因は、以下の3点に集約されます。
第1の理由は、「脚のシルエットを細く見せたい」という徹底した美意識です。一般的な80デニール以上の黒タイツは、光の吸収によって脚全体の輪郭を強調し、足首のくびれを曖昧にしてしまう傾向があります。特に太ももからふくらはぎにかけての陰影が消えることで、「脚がボテッと太く見えてしまう」と敬遠する女子生徒が後を絶ちません。制服のプリーツスカートとのバランスにおいて、素肌の抜け感こそがスタイルアップの絶対条件とみなされています。
第2の理由は、学校の校則と生徒間のローカルルール(暗黙の了解)です。多くの学校で「黒タイツの着用は許可制」「指定のストッキング以外は不可」といった厳格な規定が残っています。さらに厄介なのが、生徒間の同調圧力です。「先輩が生足なのに後輩が先にタイツを履いてはいけない」「クラスで誰もタイツを履いていないから浮きたくない」といったピア・プレッシャーが、真冬の足元を縛り付けています。
第3の理由は、基礎代謝の高さと「寒さへの局所的な慣れ」です。10代後半の若年層は成人に比べて基礎代謝が高く、体幹部が温まっていれば末端の冷えを一時的にやり過ごせる身体的特性があります。また、下校時の短時間であれば「友達とおしゃべりしながら歩いているうちに感覚が麻痺して耐えられる」という声も多く聞かれます。