所属事務所であるモノポライズは、所属俳優の個性を画一的な枠にはめず、作家性を何よりも尊重するマネジメントで知られる。今回のプロジェクトも、単なるタレントプロモーションの延長としてではなく、独立したアートブックとして成立させる方針が一貫して貫かれた。
紙の出版業界が長期的な構造不況に喘ぐ中、手に取る価値のある「物質としての本」をどう生み出すか。本作はその問いに対する明確な解答でもある。採用された紙の質感、特色インキの沈み具合、製本の細部に至るまで、徹底的なクラフトマンシップが注ぎ込まれた。デジタル画面では決して再現できないインクの匂いと手触りが、彼女のポートレートにさらなる立体感と陰影を与えている。