YouTubeやクックパッドを開けば、輪切りやスティック状など無数のアイデアが溢れている。だが、決定的に説明が不足している事実がある。それは「パイナップルは下半分の方が圧倒的に甘い」という植物学的な偏りだ。
果実は畑で太陽を浴びている間、重力によって糖分が底面に沈殿していく。そのため、輪切りにすると「上のスライスは酸っぱく、下のスライスは激甘」という極端な味のムラが生じる。均等に美味しさを届けるなら、縦方向のくし形切り一択だ。頭からお尻までを均等に縦割りすることで、一切れの中に酸味と完熟のグラデーションが美しく共存する。
また、口の中がピリピリと痒くなる原因物質「ブロメライン」は、繊維を断ち切るように垂直に刃を入れるだけで唾液との反応が和らぎ、格段に舌触りが優しくなる。切り方ひとつが、味覚の化学反応すら左右している。